日本人に合った寝方は、もう無い!?
私が2019年に出版した本、「三代目・ふとん屋のホンネ!!」です。
書き始めたものの、2年の歳月を要してようやく完成した本なのです。
この本の中から抜粋します。(P73~)
タイトル
「日本人は、日本式の寝方が合っている?」
そもそも、日本式の寝方という定義があるのでしょうか?
あるとすれば、日本式家屋の和風住宅で、和式の寝室で、和式のふとんを使って眠るというイメージでしょう。
日本人の特性や骨格などを考えた場合は、和風のほうが理に叶っていると今でも思われる方が多いようです。
私が「寝具カウンセリング」をする際、特に気を付けて調べる項目が、骨格のカーブです。
首のそり具合、腰骨のカーブ、背骨の曲がり具合など多くの項目を調べます。
なぜそうするのかというと、時代によって骨の長さ、そり具合や湾曲がかなり違うのです。
お客さまカルテのデータを調べると、約20年ごとに大きな数値の変化が出ている気がします。
江戸時代の男性の平均身長は、155㎝などといわれています。
頑丈な骨格と、鍛え上げた筋肉を兼ね備えていたので、板の間でムシロだけで寝ることができたと想像はつきます。
ということは、明治・大正・昭和・平成の平均身長や平均体重、筋肉のつき具合、骨の大きさなどは、かなり違うと予想されます。
現代が今までの歴史の中で、運動不足・筋力不足・栄養過多・高齢化などの理由で一番体力が落ちている時代だと感じます。
大柄で骨格の作りが大きい場合は、それを阻害しない寝方といえば、ベッドのように金属バネを多用して身体の凹凸を吸収しないとグッスリと寝られません。
日本人だからというコンセプトだけで、日本式の寝方を提案するのは違うと断言できます。
あくまで最適な寝方というのは、個人個人でまったく異なるということなのです。
自分に合った最適な寝方は、残念ながら自分では全く分からないのが真実です。(自分の骨格カーブを肉眼で目視できないからです。)
ゆえに間違った寝方を選択してしまったせいで、気持ちよく寝ることができずに悩んでいる人がとても多いのです。
・・・以上のように、自分に合った一番良い寝方を自分で探すのは、大変に難しいことなのです。
ゆえに、睡眠環境アドバイザーのプロに診断してむらい、早く正しい正確な判断を仰ぐのが最良の方法です。