睡眠環境アドバイザー 谷澤三義「快眠ブログ」

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羽毛ふとんと真剣に向き合った理由とは・・!?

長文です。・・・・

「羽毛ふとん」と真剣に向き合うことになったストーリーをお話します。

昭和48年(1973)に丁稚奉公から帰還して、すぐに「ふとん仕立て職人」になりました。

朝から晩まで、「もめんふとん」の仕立て作業です。

「私の人生、死ぬまで職人で終わる!」と半ば覚悟しました。

だから、「もめんふとん」だけの知識さえあれば良いと思っていました。

ところが次第に、「もめんは重いから、もっと軽い掛ふとんが欲しい!」という要望が増えてきました。

・・そんな場合、正直いって一番困りました!

軽くする方法は2種類のみ、・・・・

①綿の量を減らす→寒くなる

②化学繊維(テトロン綿)を混ぜる→寒くなる

いずれの方法も結果的には寒くなるのでイマイチです。

あとは「羽毛ふとん」を販売するしか手はありません。

でも、正直いって当時の私には、お客さまに納得して頂くだけの商品知識がありませんでした。

繊維問屋の丁稚奉公時代(昭和47年)には、ふとん屋さんに卸していましたが・・・

「軽くて暖かいらしいですよ」

「有名メーカーだから安心です」

「ダウンが多く入ってます」

「売値30万円の高級タイプですから良いものですよ」

そんな、とんでもないトークで、プロのふとん屋さんに販売していました。

といっても、ふとん屋さんも全く羽毛ふとんの知識がないので、私の人柄とトークで、かなり販売が出来てしまったのです。

そんな付け焼刃てきなトークで、羽毛ふとんを大切なお客さまに販売することに後ろめたい気持ちでいっぱいでした。

昭和が終わり平成という新しい時代に変わったのを機に、「羽毛ふとんを真剣に勉強しよう!」と決意したのです。

平成4年(1992)に「ダウンサークル」という寝具勉強会の組織に入会しました。

勉強してまず驚いたのは、植物繊維(もめんふとん)と動物繊維(羽毛ふとん)の違いが根底から違っていたのです。

もめん綿は輸入国が、アメリカ・インド・パキスタンなどと限られた国なので、各々の特徴は、3年くらいで熟知できます。

ところが羽毛ふとんの原料は世界中から輸入されるので、原料の善し悪しの判断がとても難しく、輸入ルートも千差万別です。

ゆえに、本物の羽毛ふとんを追究するには一生勉強しなければならないということを悟りました。

こんな複雑怪奇な羽毛ふとんを扱う理由は、ただひとつです。

「人間という哺乳類動物の体温を、無理なく自然に確保する手段として、水鳥のダウンが一番最適だと実証できたからです」

本格的な羽毛ふとんの勉強を始めて、29年が経過しました。

まだまだ修行半ばですが、これからも皆さまにとって大切な睡眠を得られる本物の寝具のみを提案し続けて参ります。

睡眠館オーガニックとのご縁で、「きっと、あなたの人生が豊かになる」ことと思います。